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1980年代後半に日本やアメリカを巻き込んだ「カジノ経済」の熱気も、90年代に入るとたちまちしぽんでしまい、世界経済は冷え込みました。この時期の経済はたしかに異常でした。モノづくりを本業とするメーカーが財テクに熱中し、手堅いとわれた銀行が正体のよくわからない企業におカネを貸し込みました。アメリカではM&A(企業合併・買収Merger and Acquisition)ブームが吹き荒れ、企業がまるで商品のように売買され、経済の舞台はカジノの賭博場のようになりました。おカネとモノの関係が薄れて、それぞれがばらばらに動いたこの時期を、アメリカの経営学者ピーター・ドラッカーは「実物経済と象徴経済の分断時代」と命名しました。実物経済とはモノづくりの世界、象徴経済とはモノの裏づけのないおカネの世界です。それが行き過ぎてバブル(泡)が発生し、マネー経済がモノの経済を振り回すようになりました。